Long法
卵巣機能が悪くない方(37歳以下でAMHが1.4~4.0ng/ml、卵胞数が両側併せて10〜20前後)であればロング法を使います。
- 採卵の前周期の高温相半ばより自然排卵を抑制するための点鼻薬(GnRH剤)を開始。
- 月経2~3日目より卵巣刺激のための排卵誘発の注射(hMG)開始。その間2~3回来院 していただき、毎回ホルモン採血や超音波検査をして卵胞の発育を 見ながら約10日間注射。
- 卵胞の発育状態で採卵日が決定したら、点鼻薬、排卵誘発の注射を中止し、 夜20~22時に hCGの注射をして卵を最終的に成熟させます。
- hCGの注射をした34~36時間後、すなわち翌々日に採卵となります。
ロング法のメリット
- 生理が来ても卵巣は下垂体のFSH,LHの分泌が抑制されていて、卵胞発育がおきないアイドリング状態なので、採卵日の調節ができます。注射を開始して12日目が採卵日となります。
- 卵巣機能がほどほどある方は、ブセレキュアの点鼻により下垂体ホルモンが強力に分泌され、黄体を刺激して内因性の黄体ホルモンや卵胞ホルモンの分泌を促すので、あたかもピルを前周期から服用したときと同じように生理が来たときに、粒ぞろいの卵胞になっている。
- ショート法で反応が悪かったり、代謝が悪そうなデーターの方には、生理が来る1週間前から卵胞をブセレキュアで軽度刺激して卵巣の体調を整える。
ロング法のデメリット
- 卵胞数が少ない方では、内因性の黄体ホルモンの影響を受けて、卵胞数がさらに減少することがある。
- 卵巣機能が悪い方は下垂体のLH,FSHの分泌が亢進しているので、前周期に点鼻しても十分下垂体の分泌を抑制することができず、生理が来たとき大きいのと小さい卵胞がみられ、誘発刺激に不向き。その時はピルを服用することが一番簡単ですが、注射しても反応が悪くなってしまうことがおおいのが欠点です。一番良いのは栄養療法で、発育途中の卵胞数を増やして、下垂体の抑制因子を多く分泌させる事です。