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人工授精(AIH:配偶者間人工授精)

タイミング法と同様に排卵日を特定し、精液を洗浄濃縮されたきれいで元気な精子を子宮内に注入してより多くの精子が卵管采までたどり着けるようにします。下記のような方に適した方法です。

  1. 自己タイミングで1年以上毎月頑張っても妊娠されない場合
  2. 通院してタイミング法を3〜6回行っても妊娠しない場合
  3. ヒューナーテストの結果や頚管粘液所見が良くない場合
  4.  性交障害や勃起不全でお困りの場合
  5. 精液検査で軽度から中等の乏精子症や精子無力症と診断された場合

 通常運動精子が 500万/ml 以上集まれば人工授精をしていますが、精子運動率や直進速度が高い方が妊娠しやすい傾向にあります。AIHの施行回数は年齢やAMH, FSH, 月経時の卵胞数などで変わってきます。一般的に40歳以上やAMHが低値の方は3回で妊娠しなければステップアップをお勧めしています。 妊娠率は10〜11%で、排卵前と排卵後の妊娠者は2対1の割合、排卵前後での妊娠率に差はありませんでした。当院での AIH で妊娠された方の最低値は、運動精子濃度が 300万/mlくらいでしたが、そのレベルではほとんど妊娠しないことに留意してください。

人工授精の流れ

人工授精(AIH)プランニング基礎体温表や帯下の有無、下腹部のシクシク感や超音波で測定した卵胞の大きさ(18〜20mm)、尿中LHホルモン検査から排卵日を予測し、人工授精日を決定します。

 人工授精(AIH)当日精液の採取 クリニックの採精室で採取できます。またご自宅で採取される場合は奥様がご持参下さい。精子は低温に弱い為、冷やさないように、また空気中の酸素によって障害を受けますので出来れば2〜3時間以内にご持参下さい。

 精液はそのまま子宮に注入するのではなく、アイソレートという精子よりも少し比重の高い溶液にのせて攪拌し、密度勾配遠心法で動きの良い元気な精子を集めて人工授精に用います。この処理で、密度の低い奇形精子や遺伝子の凝縮が不十分な未成熟精子、不純物・白血球・細菌等も取り除かれるので人工授精による子宮内感染を防ぐことが出来ます。

超音波検査卵胞の大きさ・子宮内膜の厚さ・子宮の向き等を観察します。子宮内へ精子を注入専用の柔らかい管(カテーテル)を子宮口から子宮の中に入れ処理した精液を注入し、気分不快などなければ終了となります。

人工授精の流れと費用、適応についてはコチラ(PDF)をご覧ください。

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受精と授精の違い
 

授精(insemination)とは、
精液を人為的な手法によって生殖の便宜を図ること。たとえば

受精(fertilization)とは、
精子と卵子が結合することを指す。